News Archive : Japan Real Estate

Friday, November 11, 2005

Murakami's Hanshin Dilemma

週間ゲンダイ【この会社の人と事件】
2005年11月2日 掲載  

村上ファンド 阪神株の大誤算

2、3年保有どころか、あっさり手放す可能性も

 日本シリーズでロッテに4連敗を喫した阪神タイガース。「村上ファンドは疫病神」というファンの八つ当たりも聞かれるが、計算はずれの惨敗に悔しがっているのは村上世彰氏自身も同じだ。
 村上ファンドの現時点での運用資産は4000億円程度。そのうちの3割弱、1000億円強が阪神電鉄株に張り付いている。それだけ、阪神は確実に稼げるともくろんだのだろうが、この投資のやり方はかなり危うい。
「ヘッジファンドは分散投資が基本。ポートフォリオが阪神に傾きすぎ。株価が半額になればファンド全体の運用成績はガタガタになる」と大手ファンド関係者は言う。
 新聞記者らからも「投資の比率が阪神電鉄へ偏りすぎではないか」との質問が飛んでいる。村上氏の答えは次のようなものだ。
「阪神は別に大きくない。37億円で最初にファンドを始めたときに10億円投資するのと、今、1000億円投資するのとは同じ感覚」
 どうも、ファンド運用者に必要な慎重さに欠けているように見受けられる。
 村上氏にはさまざまな圧力もかかっている。10月中旬以降、「阪神から手を引け」という声が、表の世界からだけでなく裏の世界からも寄せられているそうだ。身の危険を感じた村上氏は、記者のぶら下がり取材についても「一切、やめていただきたい」と懇願している。家族の身辺にも気を使うようになっている。
 村上氏は梅田駅前のバスターミナルをはじめとする沿線の土地開発やタイガース上場による利益拡大策をもくろんでいた。しかし、「タイガース上場や沿線開発には複雑な利権が絡み合っている。一筋縄ではいかない」(関西財界の事情通)のだ。
「(電鉄株を)2〜3年は持つ」との強気の言葉はカラ元気だろう。深追いをせず、損失覚悟で売り抜ける可能性も高まっている。【大沼匠】